CFRPの特性とメリット

軽量かつ高強度

同等の強度を持ちながら鉄などの金属に比べ大幅な軽量化が可能。設計自由度も高く、用途に応じた最適な部材設計が実現できます。

低熱膨張・高振動減衰性

熱膨張係数が金属の約1/10であるため、温度変化による歪みが小さく、振動減衰性能も優れています。

耐腐食性とX線透過性

金属と異なり、腐食が起こりにくいほか、X線による検査や非破壊検査がしやすい点も大きなメリットです。

穴あけ加工における注意点

CFRPの穴あけ加工は、旋削加工や切削加工全般の難しさに加え、以下の点に留意する必要があります。

炭素繊維の切断

炭素繊維の断面が工具と直角となる場合、繊維が割れたり剥離が生じやすい。これにより、端面の粗さや部品の強度低下が懸念されます。

積層材特有の剥離現象

積層構造の部材では、層間での剥離が顕著に現れるため、加工条件の最適化や事前検証が不可欠です。

加工後の仕上がり

加工パラメータや工具選定により、金属加工と遜色のない高品質な穴あけ加工が可能ですが、あらかじめ必要な穴の有無や設計変更の検討も重要です。

成形方法とその影響

CFRPは成形方法により特性が変化するため、切削加工を行う前に成形方法を理解することが求められます。
主な成形方法には以下があります。

オートクレーブ成形

高品質なCFRP製品が得られ、ドライカーボンとも呼ばれる。試作から少量生産向けの工程としても有効。

RTM、Va-RTM、プレス成形、フィラメントワインディングなど

用途や形状に応じた多様な工法が存在し、各工程に応じた加工ノウハウが必要です。

加工時の安全対策と環境管理

CFRP加工では、微細な切粉が発生し、人体や機械に悪影響を及ぼす可能性があります。

人体への影響

粉塵が皮膚に付着すると痒みや怪我の原因となり、吸入すると呼吸器にダメージを与える恐れがあります。適切な防塵対策と保護具の使用が必須です。

機械への影響

細かい切粉がベアリングや摺動部に侵入すると摩耗を引き起こすため、定期的な清掃や点検が重要です。

NAKANOのCFRP加工サービス

当社は、CFRPの切削加工において以下の強みを持っています。

ワンストップ体制

設計・解析、成形、機械加工、塗装、検査、試験まで一貫したプロセスで高品質な製品を提供。

高精度設備

大型・高精度の５軸加工機を駆使し、複雑な形状や特殊な条件下でも安定した加工を実現。

専門知識と豊富な経験

CFRPの特性に精通した技術者が、最適な加工条件や工具選定、工程管理を行い、効率的かつ高精度な加工をサポートします。

用途や環境に合わせた最適な素材・加工方法の提案を行っております。軽量化、コストダウン、高品質なCFRP部品の製作についてご相談いただければ、柔軟な対応をお約束いたします。

CFRPは、優れた軽量性・高強度・高耐熱性を備えた先端素材ですが、その特性ゆえに機械加工や穴あけ加工には高度な技術と専用の工具が必要です。成形方法や加工条件、環境管理を総合的に考慮することで、金属と同等以上の精度と品質を実現できます。
当社は、豊富な知識と先進設備をもとに、CFRP加工に関するあらゆる課題に対応しております。まずはお気軽にご相談ください。